【酔っぱらいでもわかるビールの歴史②】
ついに舞台は欧州へ。ビールとワインの仁義なき戦い
最近メディアでは「若者のアルコール離れ」がやたらと喧伝されている。
海外では”Sober Curious”なんて風潮もある。それはそれでいいけれど、アルコールが我々人類にもたらす恩恵は決して少なくないはずだ。
本コラムでは、アルコール（主にビール）と人類の長い付き合い（＝歴史）を紐解きながら、適度に微生物にも触れながら（一応微生物メディアなので）、現代における「イケてるアルコールとの付き合い方」を模索したいと思う。
※本コラムは酔っぱらった読者にもわかるよう、なるべくざっくりした情報提供と主張を心がける。また、筆者は基本酔っぱらった状態で記事を執筆している（顧客視点）。
目次
ワインを嗜む古代ローマでビール大苦戦
さて前回は、四大文明の頃からビールが飲まれていて、ハンムラビ法典にはビールに関する法律まで定められていたという衝撃の事実を紹介した。歴史の教科書を順当に進めるなら、この後「古代ローマ」時代がやってくる。当然、古代ローマでもビールは人々の心を鷲掴みにしていたと思いきや、ワインに完敗して市場シェアは低かったようだ。人生そう上手くはいかない。しかも、古代ローマでのビールへの逆風は相当なもので、現代の若者のビール離れの比ではなかったようだ。
ではどうして、古代ローマではビールは受け入れられなかったのだろう？ググったところによると、理由は大きく２つある。１つ目は、ワインという強力な代替品があったから。ブドウが死ぬほど採れた古代ローマでは、ワイン作りの方が身近であり、ゆえにビールの製造技術が高度化することもなく、軽くあしらわれていたということだ。
２つ目の理由は、古代ローマ人がビール飲みを蔑視していたから。実は古代ローマの人々が愛飲していたワイン、今のワインとは少し異なる。当時のワインは、ブドウを完全には発酵させない甘い飲料で、しかもその甘いワインを、水で割って飲むのがスタンダードだったそうだ。つまりアルコール度数は比較的低かったのである。ビール飲んで泥酔してる奴なんて、文明人を自負するローマ人からすると全くイケてないのだ。※ニュアンスは妄想です。
ゲルマン人と共にヨーロッパ中を席巻したビール
古代ローマでは冷遇されていたビールだが、ゲルマン人の間では重宝されていた。ゲルマン人というのは、今のドイツやデンマーク、スカンジナビア周辺で暮らしてた人たちの総称だ。ゲルマン人の住処はローマからかなり北に位置していて、ブドウが育たなかった。そう、だからゲルマン人はワインではなく、ビールを飲んでいた。
で、古代ローマの時代が終わると「フランク王国」がヨーロッパ中を支配するんだけど、そのフランク王国がゲルマン人の国だったもんで、ビールもどんどん普及して飲まれるようになった。フランク王国の絶盛期を築いた「カール大帝（シャルルマーニュ）」の時代に、農民は麦とビール作りの賦役が課せられたりもした。支配者がビール好きだったからビールが広まったという単純な話なだけに、もし仮にビールじゃなくてワインが広がっていたら、今のビールとワインのあり方は変わっていたかもしれない。そう思うと感慨深いっすね。
あれ、なんの話だっけ
そんなわけで、今日も発酵の話は１ミリも出なかったが、次回も同様に発酵の「は」の字も出ない。もちろん科学の発展と共にビールの醸造技術も飛躍的に進化し、微生物の働きや発酵の謎についても解明されていくんだけど、その前に次回は、中世ヨーロッパにおけるビールについて書きたい。中世ヨーロッパといえば「キリスト教」なのだが、ビールはこのマンモス宗教ともズブズブの関係を築くことに成功したのである。だからこそビールがここまで普及していると言っても過言ではない。たぶん。次週はそのあたりをググって紹介したいと思う。
出典：
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%93%E3%83%BC%E3%83%AB#cite_note-7
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B2%E3%83%AB%E3%83%9E%E3%83%B3%E4%BA%BA
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%AF%E7%8E%8B%E5%9B%BD
