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MiCS研究員2名が微生物学の若手最高峰の一つ「野本賞」を受賞! | 受賞内容をダイジェストでご紹介!

MiCS研究員2名が微生物学の若手最高峰の一つ「野本賞」を受賞! | 受賞内容をダイジェストでご紹介!

国内の微生物学の発展を目指すため、2007年に設立した日本微生物学連盟。23もの専門学会が加盟するこの権威ある連盟が、2020年に新たな賞「野本賞」を立ち上げました。ポリオウイルスをはじめとするウイルス研究で世界的に活躍した野本明男先生の名を冠するこの賞。病気、環境、生活などさまざまな分野での微生物研究に対して授与されます。受賞資格は45歳以下と、若手研究者にフォーカスしているのが特徴。次世代の微生物学を世に広める気鋭の賞なのです。

その記念すべき第1回を、なんとmics magazine編集長を務める豊福雅典准教授が受賞! さらに翌年の第2回には、MiCSの研究員、竹下典男准教授が受賞を決めました。

野本賞の設立から2年続けてW受賞を果たした2人のMiCS研究員。微生物学の若手最高峰ともされる野本賞を受けたその研究とは、一体どのような内容なのでしょうか? 

2021年12月3日(金)に行われる「野本賞」受賞講演会に先がけ、豊福准教授と竹下准教授の研究をダイジェストで紹介します!


微生物も会話する?! 微生物間のコミュニケーション方法を探る | 豊福雅典准教授

2020年に「野本賞」を受賞した豊福准教授が研究しているのは、微生物のコミュニケーション方法。人間や動物と同様に、微生物も「会話」をしていることが研究によって明らかになりました。

微生物がコミュニケーションの媒体として使うのは「シグナル」という化合物。私たち人間にさまざまな言語があるように、シグナルの種類もバラエティ豊か。ある特定の微生物にしか理解できないシグナルもあれば、多くの微生物が理解できるものもあります。

さらに豊福准教授は、このシグナルをより遠くの微生物に届ける仕組みについても研究を進めています。まるでメールで遠くの人とやり取りするように、微生物も「ベシクル」という細胞膜にこのシグナルを詰めることで遠くの微生物とやり取りをしているそう。詳しいメカニズムはまだ謎に包まれているものの、微生物が高度なコミュニケーション能力を持つ生物であることが着々と明らかになってきています。

豊福准教授が行っているこれらの研究は、薬剤耐性菌をはじめ数々の感染症の治療にも役立つとされています。従来の抗生物質は体内の善玉菌も殺してしまい、薬の効かない菌を生む原因にもなっているそう。特定の病原菌にだけ届くようにベシクルの中に抗生物質を詰めることができれば、他の菌を殺すことなく治療ができるようになる。微生物同士のコミュニケーション方法を解明することで、人と微生物の関わりも大きな進歩を迎えるかもしれません。

豊福雅典|Masanori Toyofuku
筑波大学生命環境系・准教授。日本学術振興会特別研究員、チューリッヒ大学博士研究員を経て、現職。微生物間相互作用を専門とする。

カビが成長する仕組みを最新のイメージング技術で解明! | 竹下典男准教授

竹下准教授は、カビの菌糸が伸びる仕組みを明らかにしたことで、2021年に「野本賞」を受賞。最新のイメージング技術を用いて、カビが成長するメカニズムをより詳しく捉えることに成功しました。

カビは、「菌糸」と呼ばれる管状の細胞を伸ばすことで成長します。そのことは以前から知られていましたが、竹下准教授は、従来の約10倍の解像度(30ナノメートル)を持つ超解像顕微鏡を用いて、菌糸が伸びる様子を高精細に可視化することでそのメカニズムを明らかにしました。

竹下准教授が着目したのは、カビの細胞壁の主な構成成分の1つであるキチンをつくる酵素(キチン合成酵素)。この酵素が局所的に集まり、その位置が変化することで菌糸が伸びていることがタイムラプス画像によってわかりました。またこのイメージング技術によって、キチン合成酵素が高速で運ばれている様子も発見。これまで明らかにされていなかった酵素の輸送経路の一端が解明されました。

私たちの生活にも密接に関わっているカビ。その成長のメカニズムをより詳しく知り、制御することで、発酵食品や医療、農業など幅広い分野の技術が大きく進歩することが期待されています。

竹下典男|Norio Takeshita
筑波大学生命環境系・准教授。ドイツ・カールスルー工科大学 応用微生物学科、グループリーダーを経て現職。糸状菌の分子機構を専門とする。

「野本賞」受賞を記念した2人の講演会が筑波大学で開催!

「野本賞」を受賞した豊福准教授、竹下准教授の記念講演会が筑波大学・オンラインで開催されます!参加登録は11/29(月)まで。微生物研究の最先端を知ることができる貴重な講演、奮ってご参加ください!

日本微生物学連盟「野本賞」受賞講演会

【日時】2021年12月3日(金) 14:00~16:00(日本時間)
【場所】Zoomによるオンライン開催(下記事前登録先にご登録いただければどなたでも参加可能)
筑波大学 総合研究棟A棟110室(学内関係者のみ限定35名先着順)

※当シンポジウムは事前登録制です。

※筑波大学 総合研究棟A棟110室にて開催いたしますが、会場でのご参加は感染症対策のため学内者のみ、限定35名先着順とさせていただきます。また、状況によっては会場での参加をお断りさせていただき、オンラインでとお願いする可能性もございます。

★★接続情報は事前登録いただいた方にのみお送りいたします★★

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