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イネいもち病菌
Pyricularia oryzae (Magnaporthe oryzae)
イネをはじめとする農業上重要な穀物に感染し、“いもち病”を引き起こすことで有名な植物病原糸状菌。冷夏の際には大発生することがあり、大きな稲の減収を引き起こすこともある。モデル植物物病原糸状菌の一つとしてかなりの研究が進められているが、人間が認知できる病斑を引き起こしている状態以外の生態はあまり知られていない。
硬いイネ葉の表層に付着器と呼ばれる打ち込み装置を使って穴をあけ、内部に侵入、菌糸を広げて栄養を搾取する。その際、様々な物質を植物細胞に送り込み、防御応答の抑制などを行っている。
図1)イネ葉にできた病斑 図2)イネ細胞に侵入して菌糸を広げている様子
このミクロの生物の中に、ウイルスが潜在感染していることもある。
下の写真は、直径30~40 nmほどのMagnaporthe oryzae chrysovirus 1粒子
(写真は、筑波大学と東京農工大学にて取得)