微生物ってすごい!No.15|微生物って何を食べているの?
目に見えないほど小さな生き物である微生物。どれだけ小さくとも、生き物である限り、何かしら栄養がないと生きられないはずですが、一体彼らは何を栄養として活動しているのでしょうか?
微生物は栄養とする物によって、大まかに4つに分類することができます。
1.光をエネルギーにして、二酸化炭素を炭素源(栄養)とする「光合成独立栄養生物」
有機物を”食べる”ことなく、生育できる生物のことを「独立栄養生物」と言います。その大きな例は植物。二酸化炭素を取り入れ、太陽の光を利用して酸素をつくる。光合成はまさに「独立栄養生物」が持つ働きのひとつです。
植物と同じく、主に二酸化炭素と太陽光を炭素源・エネルギーに活動する微生物が「光合成独立栄養生物」の微生物。藻類やシアノバクテリアなどの微生物がこれにあたります。
2.光をエネルギーにして、有機物を炭素源(栄養)とする「光合成従属栄養生物」
「光合成独立栄養生物」は太陽光と主に二酸化炭素を栄養としていますが、「光合成従属栄養生物」は太陽光と有機化合物を炭素源・エネルギーとする生物です。自分では二酸化炭素から有機化合物を作れないので、独立栄養生物が作った有機化合物を使って炭素を得ています。
3.無機物をエネルギー源、二酸化炭素を炭素源(栄養)にする「化学合成独立栄養生物」
光からエネルギーを作り出す「光合成独立栄養生物」や「光合成従属栄養生物」に対し、「化学合成独立栄養生物」は鉄や硫黄などの無機化合物を酸化することでエネルギーを得ることができます。また、二酸化炭素から必要な全ての有機化合物を作り出します。このような微生物は光合成を行わないので、太陽の光が届かない深海などでも活動することができます。代表例としては鉄酸化細菌や硫黄酸化細菌です。なかでも硫黄酸化細菌は、下水周りのコンクリートを腐食させてしまうことが知られています。
4.有機物をエネルギーにする「化学合成従属栄養生物」
「化学合成従属栄養生物」は有機物からエネルギーを作り出し、炭素源として有機物を利用します。私たち人間も化学合成従属栄養生物の一種です。
地球上では各微生物が活動することによって物質が循環しています。この働きがなければ、人間を含む多くの生物は生存することができません。酸素、炭素、窒素などに加え、鉄、銅、マンガンなどの金属も私たちの身体を構成する要素であり、微生物はその循環の要になっているのです。