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ダイズさび病菌(冬胞子堆)
Phakopsora pachyrhizi
ダイズには、P. pachyrhiziとP. meibomiaeの2種類のサビキンが寄生する。
前者は元々東アジア原産、後者は中南米原産の種。P. pachyrhiziは、日本でも毎年発生するが、ダイズ栽培上それほど大きな問題になることはない。
ところが、この菌は、東アジアから、オーストラリア、インド、アフリカと広がり、2001年には南米に、2004年には北米に侵入。南米ではダイズに対して非常に激しい被害を引き起こし、大きな問題になっている。
栽培中、ダイズの葉上に淡褐色粉状の夏胞子堆が多数発生し、次々に感染が拡大する。
発病した葉は早期落葉してしまい、防除処理をしないと収量が半減することも。上の写真は、このサビキンが越冬用に形成した冬胞子堆。ダイズ葉の組織の中に単細胞の冬胞子が石垣状の塊を形成する。